3月18日にバンダジェフスキー氏の医師向けセミナーに参加させていただきました。 ユーリ・バンダジェフスキー 氏 1957年1月9日にベラルーシ(Belarus)フロドナ州(Grodno)で生まれた。1978年、小児科医であるガリーナ・バンダジェフスキー(Galina Bandazhevskaja)と結婚。1980年、国立フロドナ医科大学を卒業、臨床研修を終え病理解剖学の専門家となる。1989年、ベラルーシの中央科学研究所所長(The Central Laboratory of Scientific Research)に就任。ベラルーシコムソモール賞、アルバート・シュバイツァーのゴールドメダル、ポーランド医学アカデミーのゴールドスターを授与される[2]。1990年、ゴメリ(Gomel)医科大学を創設、初代学長・病理学部長を務める[3] 。ゴメリ医科大学では1986年のチェルノブイリ原発事故以来、セシウム137の人体への影響を明らかにするために、被曝して死亡した患者の病理解剖と臓器別の放射線測定や、放射能汚染地域住民の大規模な健康調査、汚染食料を用いた動物飼育実験、などの研究に取り組む[4] 。この研究は、セシウムなどの放射性同位元素が体内に取り込まれたときの現象と病理学的プロセスを解明するとともに、旧ソ連時代からの放射線防護基準を改訂することに寄与した。ゴメリ医科大学ではバンダジェフスキーの指導のもと、30の博士論文が作成され、200篇の文献が作成された。研究成果は、定期的にベラルーシ国内の新聞、ラジオ、テレビ、および国会で報告されていた 著作の日本語訳も出ています。 言葉は通訳をとおしてでしたけれど、その真摯で熱い思いは我々に直接伝わってきました。 公演中殆どたち続け、身振り手振りで話される博士の情熱にまた、希望の光が見えてきた気がします。素晴らしい人です。ベラルーシ政府により投獄されながらも、決して信念を曲げず、弟子をたくさん育てたとお話しされておられました。 内部被曝の影響を調べるのに誰にでもできて簡便な方法はないか。私なりに情報アンテナを巡らしてきました ・成長曲線(こどもの身長、体重をプロットしたグラフ)必須http://www.pediatric-world.com/teikyou/seicho.html http://ghw.pfizer.co.jp/gh/c_down/index.html 柱に紙か何かを貼って、身長と体重を記録しておけば、すぐに異常に気がつけます。甲状腺機能低下などを血液検査なしに早期に見つけられるでしょう。1ヶ月に1回程度は、記録しましょう。 ・血圧 セシウム被曝により、血管が硬化するのでしょうか?原因は不明だと思いますが、上昇するようです。 ・蛋白尿 バンダジェフスキー氏の病理標本からチェルノブイリ事故による放射性物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非ガン性疾患 Y・バンダシェフスキー教授 Non-cancer illnesses and conditions in areas of Belarus contaminated by radioactivity from the Chernobyl Accident: Prof. Yuri Bandashevsky から 図2.17 900Bq/kgの放射性セシウムが検出されたシロネズミの病理組織切片。糸球体の壊死と断裂と空砲形成。尿細管上皮の壊死と、ヒアリン滴変形。HE染色 ×250倍 腎臓は、放射性セシウムの体内からの排泄過程を司る重要な器官である。V.Zhuravlev(1990)によると、Cs-137の尿排泄は、糞便からの排泄の6-9倍である。Cs-137はネフロンの糸球体と尿細管の血管構造に影響を与える。腎臓の構造的かつ機能的要素の中でも、真っ先に糸球体が破壊された場合、「溶けた氷柱」と呼ばれる、特徴のある組織学的所見として表れる。この臓器の組織にはかなりの濃度のCs-137が計測された。 日本の病理医もいろいろと解説しておりますが、腎臓に関しても放射能による特異的な所見は診られないというのが実際の話だと思います。腎臓の組織で特異的な変化が見られるのであれば、ABCC の膨大な解剖症例から、必ずや成果として蓄積されているはずです。 博士との質疑応答の際に腎臓専門医から「ネフローゼの病態にはならないのですか?」との質問が出た際に、「ベラルーシの汚染地区では、すべての子どもから蛋白尿が出た。採取のミスも考えたが、ほぼ全員の尿から出た。これは、溶けた氷柱現象だろう」との解答がありました。 尿検査は非常に簡便に自宅で安価にできます。 テルモ 尿試験紙 新ウリエースBT 50枚入り UA-P2BT5Nb(検査薬)【第2類医薬品】 2類医薬品は、法改正のため通信販売は許可されていないようです。近くの薬局でお求めください。 ・いつの尿でも構わない。(朝一番の尿である必要はない) ・コップに取らずに、直接尿をつける(もちろんコップにとっても構いませんが、面倒) ・週1回程度の頻度 ・尿タンパク陽性になったら、翌日も再検査。そして、その時も陽性ならば病院を受診する 蛋白尿は、特に子どもにとっては学校保険法で年一回の検査が定められているとおり、非常に重要視されています。腎不全を早めに見つけるもっともよい方法だからです。 もし、尿タンパクの陽性が見つかり、翌日も陽性だった場合には、かかりつけの先生のところを受診しましょう。よく、大きな病院なら安心だろうと、大学病院を直接受診される方もおられますが、大病院ほど医者の人数は多く、技量にも差があります。近くの先生に専門医を紹介してもらう方が確実です。きっと、適切な先生を紹介してくれることでしょう。 なお、その際に「これは、放射能の影響ではないですか。」とくれぐれも質問されないように。蛋白尿については、放射能かどうかの区別はありませんし、現代医学を勉強した医師に放射能の影響かどうかを聞くのは、全く持って無駄なことです。むしろ、反感を持たれてしまうのがオチですから、黙っておきましょう。 蛋白尿が見つかったという事実だけで、適切な検査、治療が受けられるのですから。 子どものタンパク尿検査を-バンダジェフスキー氏の講演会から
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2012-04-19(Thu) 00:00
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