|
厚生労働省と米国エネルギー省共同管轄の公益財団法人「放射線影響研究所」は、その前身の原爆傷害調査委員会(ABCC)の時代の1950年から原爆被爆者の死亡率に関する寿命調査を続けてきました。
このほどアメリカの専門誌 Radiation Research オンライン版で公表された「原爆被爆者の死亡率に関する研究 第14報 1950–2003年:がんおよびがん以外の疾患の概要」において、放影研は「放射線の健康リスクに閾値がない」ことをようやく認めました。それだけではなく、この報告は「被爆時年齢が若いほど、健康リスクは増大する」「健康リスクはがんだけでなく、がん以外の循環系、呼吸器系、消化器系の疾患にもおよぶ」といった事実をも明かしています。
もとより大量の内部被曝者が次々と亡くなった1950年以前のデータは失われているなど、この報告に対して、いくつかの重大な欠陥を指摘することができるでしょう。それでもなお、山下俊一ら科学の良心どころか、人間の誠実さをどこかに置き忘れた自称専門家らの妄言を葬り去るにはじゅうぶんであるはず。
ところが日本語で読もうにも、放影研サイトでは簡単な概要が配布されているだけです。しかも、ブログ「ざまあみやがれい!」によれば、厚生労働省は日本語全文を公表するつもりはないようです。広島・長崎の被爆者を対象とし、日本政府が資金を出した研究の報告が英語でしか読めない…「英語帝国主義」そのものですね。被爆・被曝者をモルモット扱いしたABCCの体質がまだ受け継がれているのでしょう。 この研究報告を日本全国民の共有知的資産とみなし、正義と良心の名により、ここに日本語訳全文を公開します。放影研および米専門誌から著作権を振りかざした攻撃があるやもしれません。この日本語版があちこち無数のサイトに転載され、拡散されることを希望します。 報告書は統計学を駆使したものであり、難解な箇所で挫折するのもつまらないので、飛ばし読みでじゅうぶんです。重要な事実は読みやすい箇所にあるはずです。放射線影響研究所「原爆被爆者の死亡率に関する研究:1950-2003」日本語版
スポンサーサイト
2012-06-16(Sat) 12:00 ニュース
| 編集 | ▲
|
|