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東京電力の清水正孝(しみず・まさたか)前社長が8日、国会が設置した福島第1原発事故調査委員会(黒川清 くろかわ・きよし委員長)の参考人聴取に応じ、2号機の状況が深刻化する中、原発からの全面撤退を政府に申し出たとされる問題について「『全員』とか『撤退』とは、まったく申し上げていない」と重ねて否定した。参考人聴取は公開で行われた。
清水氏は昨年3月14日午後から15日未明にかけての官邸側への電話連絡で「退避」という言葉を使ったことを認め「緊急時に対応する人を残すという意味だった」と説明。「状況が切迫している中でのやりとりなので、微妙な意味でニュアンスがずれたのかもしれない」と釈明した。
国会事故調はこれまでに、菅直人前首相、海江田万里元経済産業相、当時の官房長官の枝野幸男経産相を参考人聴取。3人はいずれも、清水氏からの申し出を全面撤退と解釈したと発言していた。
参考人聴取で清水氏は、事故対応をめぐる自身の発言が首相官邸と東電の信頼関係を崩した原因の一つだと委員から指摘され「もう少しきちんとコミュニケーションギャップを詰めておく余地はあったのかなと思う」と認めた。
また事故発生翌日の3月12日朝に菅氏が第1原発を視察したことについては「ベント作業などで現場は全力を挙げていた。あまり芳しいことではないと思った」と、視察が作業の妨げになったとの認識を示した。
さらに3月15日、東電本店に乗り込んだ菅氏から叱責(しっせき)されたことを振り返り「死力を尽くしている現場の社員たちは、打ちのめされたような印象だったと思う」と述べた。嘘つき清水前社長、「全面撤退」を否定 国会事故調が公開聴取
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2012-06-13(Wed) 19:00 ニュース
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