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    [20120709]
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     ■1人8万円…全員なら1億3600万円

     東京電力福島第1原発事故を受け、福島刑務所(福島市)の受刑者80人余りが東電に住民賠償を請求し、一律8万円の賠償を受けていることが3日、法務関係者への取材で分かった。一部の受刑者が東電から書類を取り寄せ請求。賠償金が支払われたため、所内で口コミで広がったという。

    【図で見る】 原発事故賠償の仕組み

     専門家の間では、受刑者に正式に周知されていないため公平性に問題があるとの声がある一方、賠償金の一部は税金が充てられることから「住民と受刑者を同列に扱うことはおかしい」といった異論も出ている。

     住民賠償は政府が指定した警戒区域、計画的避難区域などを除く福島県内23市町村の全住民が対象。自主避難したかどうかを問わず、8万円が支払われる。

     福島刑務所によると、昨年3月11日の震災当時、女性用の支所も含め計約1700人が収監されていた。

     東電は「受刑者も精神的苦痛、被曝(ひばく)の恐怖にさらされたという意味では住民と同じ」として、当時の受刑者全員が賠償対象になると考えていたが、受刑者への周知は見送られた。案内文を送付する場合は刑務所から受刑者の名前などの情報を得る必要があり、プライバシー保護の観点から問題があるとされたためだ。

     しかし、一部受刑者が所内で閲覧可能な新聞やテレビで賠償の情報を知り、東電から書類を郵送で取り寄せ、賠償を請求。現金8万円が支払われると、口コミで広がり、80人超の受刑者が次々と請求したという。

     福島刑務所は「今後も請求する受刑者が増える可能性は十分ある」としており、全受刑者が請求した場合、賠償額は約1億3600万円に上るとみられる。

     NPO法人監獄人権センター副代表の海渡雄一弁護士は「賠償を受ける権利は全受刑者にある。東電と刑務所は、受刑者に賠償請求の方法を伝えるべきではないか」と指摘する。

     これに対し、元最高検検事の奥村丈二中央大法科大学院教授(刑事法)は「介護や仕事、学校の都合で避難せずやむを得ずとどまった住民と、移動の自由のない受刑者を同列に扱い、同額の賠償をすることに違和感を覚える」と話した。

     【用語解説】福島県内23市町村の住民賠償…放射線被曝への恐怖や行動の自由が制限されたことで生じた精神的苦痛などに対する賠償金。対象は昨年3月11日に、福島県内23市町村に生活実態のあった約150万人。一律8万円が賠償される。自主避難した妊婦と18歳以下の子供には60万円、しなかった場合は40万円が支払われる。






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    2012-07-09(Mon) 12:00 ニュース | 編集 |
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