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<「野田首相は原発事故に真剣に取り組んでいない」>
今月15日に行われた「後藤新平賞」の授賞式。今年の受賞者は細川護煕元首相だった。東日本大震災のガレキを活用して緑の防波堤を造る活動などが評価された。式では、代理出席の佳代子夫人がメッセージを代読したのだが、その内容に会場で動揺が走ったという。野田首相の原発事故処理を痛烈に批判したのだ。
細川元首相にとって野田は「日本新党」以来の一番弟子。昨年の民主党代表選の直前には、野田―小沢一郎会談の仲介役まで買って出たうえ、首相就任後も後見人として何かとアドバイスをしてきた。
そんな細川が、“野田批判”とは尋常じゃない。細川の真意はどこにあるのか? 21日、細川家のコレクションを展示する「永青文庫」のリニューアルオープン時に本人を直撃した。
「今、私が最も気にかけているのは福島第1原発の4号機です。損壊した4号機には、使用済み燃料がプールに1000本以上残っている。再び大地震や津波に襲われたら大変なことになる。東京はおろか、大阪にまで被害が及びかねない。それで私は、(今年4月の)日米首脳会談時にオバマ大統領に直接協力を仰ぐべきだと野田首相に伝えていたのです。しかし、帰国後に首相に確認すると、『福島全般について話してきた』という返事だった。4号機のことを頼んでいないな、私のアドバイスを聞いてくれなかったな、と思いました」
先日、東電が、未使用燃料1本を取り出す作業を行ったが、1本取り出すだけで大騒動。いまだ熱を発している使用済み燃料1000本を取り出すのは気が遠くなるほど時間がかかる。
「地震が来ても、使用済み燃料棒は大丈夫だと東電は言っていますが、私は東電の言うことなど、ハナから信用していません。再稼働も含めて、野田首相の原発に対する考え方は、私とはかなり違います」
官邸前に詰め掛ける原発再稼働反対のデモの声はおろか、後見人のアドバイスすら耳に届かなくなっている野田首相――。
最後に、なぜ野田に国民世論の声が届かなくなっているのか尋ねると。
「首相は忙しいから。残念ながら周囲にいい人がいない。(手塚補佐官?)論外だ」
(日刊ゲンダイ2012年7月25日掲載)後見人 細川元首相 弟子にカンカン
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2012-08-03(Fri) 12:00 ニュース
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