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◆周防大島の夏 堪能 福島県の子どもたちを周防大島に招く「広島・山口金魚島げんきっ子クラブ」の10日間のプログラムが終わった。子どもたち18人を見送った実行委員は、さっそく来夏の受け入れに向けて動き始めた。 周防大島町和田の宿泊体験施設「げんきや和(なごみ)」。2日午後、子どもたちが思い出アルバムを作っていた。机の上には、7月25日からスタッフたちが撮りためた約500枚の写真。どれも笑顔があふれる。 福島県猪苗代町の小3、鈴木碧空(そら)君(9)は「魚を10匹以上釣ったとか、オカリナ作ったとか、早くお母さんに話したい」。いつも身につけている放射能の線量計はこの10日間、カバンから出すことはなかった。郡山市の中2、相良香月君(14)は「2年ぶりに海水浴をして楽しかった」と日焼けした顔で笑った。 福島第一原発の事故の影響で外遊びが制限されたりしている子どもたちに、島で思い切り遊んでもらおう。プロジェクトはそんな趣旨で、「和」の佐藤哲夫さん(71)夫婦ら町内外の有志が企画した。 始まってみれば「放射能」や「原発」「福島」はほとんど話題にならなかった。そんな中で、平和学習で広島に行く日を迎えた。全員で広島平和記念資料館へ行く予定だったが、スタッフから「放射能のことをわざわざ思い出させなくても」と心配する声が出た。議論を重ね、当日朝のバスの中で、資料館か記念碑巡りか子どもたちに選んでもらった。3分の2が資料館を選んだ。郡山市の円谷(つぶらや)陸君(12)は「原爆は悲惨。二度とあってはいけない。福島と比べたら、原爆の方が何倍もすごい」と話した。「自由研究で取り上げたい」という子も4、5人いたという。 プロジェクトは最低5年は続ける予定だ。盛りだくさん過ぎた、などの反省点を踏まえ、来夏の受け入れへ向けて9月にも実行委を開く。哲夫さんは「応援する人はいっぱいいるんだと伝え、福島の子を支え続けたい」と話した。 (渡辺純子) 18人の子、笑顔で福島に
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2012-08-14(Tue) 15:00 ニュース
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